2021年08月20日 (金)
子牛は可愛い
「可愛いくても食べちゃうんでしょ?」
「食べちゃうけど、
生まれて来たことを疎まれるんじゃなく
成牛まで育て、
ありがとうって、言われる命の終わり方だよ」
牛はそんなこと望んでいないので、
人間のエゴですが、
私達は自分以外の命を頂いて生きています。
吉田牧場 × 梶岡牧場
カッチョカバロなど美味しいチーズで有名な
吉田牧場で生まれたブラウンスイスの男の子を
梶岡牧場が譲り受け、自家産の発酵飼料を
たっぷり与えて健康に育てています。
乳用牛の女の子は搾乳出来るので喜ばれますが、
男の子が生まれると、
育てられる事なく処分されたり
その命を生かされていませんでした。
大切な命であり、
私達にとっては、大切な資源でもあります。
ホルスタインの男の子は、
肉用としての肥育が確立され
市場価値も付いています。
ブラウンスイスやジャージー、ガンジーなどの乳用牛は
頭数が少ない事もありますが、
まだまだ肉用牛としての可能性を
試されていません。
乳用牛の産肉能力が余り高く無い事、
(食べた餌に対してどのぐらいのお肉が付くのか)
霜降り肉にならないことから、
市場価値が付きにくい為、
手がける農家さんがほとんど有りませんでした。
全国的には、
すでに取り組んでいる農家さんも
いらっしゃって、
何とか、産まれた命を生かそうとする動きは
始まっていますが、
まだまだ手探りの状態です。
私が熟成を通して知り合った梶岡牧場さんは、
古くからお付き合いのある吉田牧場さんで
生まれたブラウンスイスの男の子の
肥育をスタートされました。
まだ、誰も成功されていない
ブラウンスイスの肉用としての価値を
どのように作り上げられるのか?
興味津々です。
又三郎で熟成する事で、
赤身のお肉の魅力を開花させたいと
梶岡牧場のブラウンスイスを
熟成庫で寝かせています。
9月に仕上がり予定です。
是非、
お試しください。
又三郎店主 荒井世津子